冬虫夏草
つまるところ、”くま”に生えた冬虫夏草。
プーさんとか、テディベアとか、可愛いとされるキャラ。くま
可愛いキャラを素直に可愛いと思えなかった。
「可愛いものなんだから可愛いと思いなさい!」とは言ってはいないだろうが、
お仕着せがましいな、と思うのが先行しがちだ。
ぬいぐるみは化学繊維の綿入りの色付きの化学繊維で、汚れたり穴が空いたり毛が抜けると、もう。
その物体で表現されるイメージが可愛いのだろう。
イメージ ニアイコール 妄想 、これは大切。
モノ自体としては、ぬいぐるみも持ってたけど、積み木の三角部分とかも同等にかわいかったぞ。
習近平とプーさんのコラは可愛い。違う意味で。
花はグロテスクだ
花というイメージが綺麗なのか、
ミクロを見つめても、その構成要素は綺麗なのか。
萎れた花、萎れかけの花、萎れようとする花、萎れる運命にある花、
綺麗だと言う瞬間は吟味すべきなのか。
くま を作る
可愛いポイントが分からなければ、可愛いくまは作れない。
くまみたいな形を雑に油土で作った。
針山みたいだと思った。
花を作る
花ってどうなのかな、と悶々としていると、
樹脂粘土の手芸の本を見つけた。
作り方がある”手芸”は手順に沿って作ると、見本の写真みたいにちゃんと出来る。
見本通りに作る事に何の楽しみがあるのかと思ったものの、
いわゆる”綺麗な花”を作る事に役立ち、満足した。
無心に続ける作業は、それが自分で作ろうと選択してやる物であれば、充足感がある。
くまと花
上記の樹脂粘土でできた花の花弁部が乾燥するまでの間、
針山となっていた油土の熊に、
突き刺した。
くまと花が冬虫夏草として同化した。
くまに花を突き刺す時に罪悪感があるのがポイント。
何の害もない小さな罪を犯す事から猟奇殺人に至るのは別次元の話である。
くま花・Fiori d’orso
H10W7D5(cm)2004年
油土, 樹脂粘土, 針金, フローラテープ